粉末焼結の有限要素シミュレーション


          

刊名:粉体および粉末冶金
作者:森謙一郎(豊橋技術科学大学生産システム工学系)
刊号:751D0001
ISSN:0532-8799
出版年:2009
年卷期:2009, vol.56, no.10
页码:587-591
总页数:5
分类号:TF12
语种:jpn
文摘:粉末成形品は金属またはセラミックス粉末を圧粉成形した後,焼結によって製品になる.焼結では粉末粒子を拡散接合させて製品とするが,粉末粒子間にある隙間が小さくなって収縮し,圧粉体が不均一な密度分布を有していると焼結時に不均一に収縮する.また,大きな製品では自重によって不均一に収縮したり,焼結時の温度分布,底部の摩擦などによっても不均一収縮が現れる.不均一に収縮すると,所定の製品形状から外れて製品欠陥になる.有限要素法が塑性加工のような生産加工に応用されて,その有用性が認識されるようになってきた.有限要素法は,素材を多数の要素に分割して計算する方法であり,実際的な境界条件および材料特性が考慮でき,しかも自由度が大きいため精度の高い計算結果が得られる.有限要素法の精度が向上したため,実験による試行錯誤に代ってシミュレーションが用いられるようになってきている.粉末成形にも有限要素法は応用されており,圧粉成形,焼結,焼結金属の加工などがシミュレーションされている.本解説では,圧粉体の焼結収縮における変形挙動をシミュレーションする有限要素法について説明する.